「ファスティングってダイエット効果あるの?」「運動よりも食事制限で痩せたい」「ファスティングでただつらい経験をするだけだったらやりたくない」など、ファスティングをしてみたくても、ちょっと踏み込めない…。
そう思ったことはありませんか?
やってみたくてもちょっと勇気が出ない、と思っていても、ファスティングのダイエット効果を知ることで、ファスティングへ前向きな気持ちになるかもしれません。
この記事では、ファスティングによる効果と、正しい知識をお伝えします。
ファスティングでダイエット効果は得られるの?

ファスティングを行うことで、ダイエット効果も期待できますが、実はそれだけではありません。
ファスティングをすることによって肌の調子が良くなったり、体が健康になったりと、さまざまなメリットが得られます。
ファスティングとは
ファスティングとは、一定の期間、断食をして過ごすことです。
英語で”fast=断食”が由来となっています。
宗教や修行などで「断食」を行うこともありますが、”ファスティング”では、固形物の摂取を控えることで、胃腸を休め、消化機能や吸収機能を高める健康法を意味しています。
胃腸を休めて消化・吸収機能を高めることで、体内の余分な物質を排出する働きが高まり、体内のリセットや腸内環境の改善が期待でき、ダイエットにもつながるのです。
ファスティングで得られる効果
ファスティングで得られる効果は、ダイエット以外にもあります。
ファスティングをすることによって得られる嬉しい効果を、ここでは4つ紹介します。
ダイエット

人の体は、食事によってエネルギーを補給しています。
しかし、断食をすることによって、体に新たにエネルギーを補給できなくなるので、代わりに体内に蓄えてある脂肪や糖質を使います。
脂肪がエネルギーとして分解されるようになると、体内で脂肪が燃焼されるため、ダイエット効果につながりますよね。
運動などせずにただ日常生活を送る場合、20代の女性の平均的な1日の消費エネルギーは1660kcalです。
脂肪で言うと230g程度燃焼するといった計算になるので、単純に1日ファスティングするだけで体重230gは減量するということになります。
消化器官の回復

人の体は、食事をすると栄養を消化吸収するために内臓器官が働き、負担がかかります。
食事量が多ければ負担は大きくなり、1日3食をしっかりと食べていたり、寝る直前などに食べていたりすると内臓は常に負担がかかっている状態です。
ファスティングにより、内臓への負担を軽減することで、消化吸収に使われていたエネルギーは、体の修復や疲労回復などに回されます。
よって、消化器官の修復が勧められたり、腸内細菌のバランスが整うようになり、体内の消化能力や排泄能力を正常な状態に回復できます。
体内の消化能力や排泄能力を正常な状態に回復できると、老廃物や毒素を排泄する働きが強まり、腸内環境が整うことにも繋がります。
免疫力向上

ファスティングによって腸内環境が整うと、善玉菌の働きが活発になります。
善玉菌は免疫細胞に良い影響を与えて健康増進に役立つ働きをする腸内細菌です。
善玉菌の役割の1つに”体にとって有用な物質を作り出す”ことがあります。
これは、
- 腸内を弱酸性に保って悪玉菌を抑える
- 腸のバリアを高める
- 免疫機能を調整する
などの免疫力アップに影響します。
また、腸内環境が整っていると、体内に入ってきた病原菌や有害物質は、腸の中にある免疫細胞によって排除されます。
肌の改善

ファスティング中は、ニキビや吹き出物などお肌のトラブルの原因になる有害な老廃物を排出する働きが強くなります。
こうしたお肌のトラブルの原因が減ることで、肌荒れの改善につながるのです。
また、空腹時間が長く続くと、飢餓状態を察知したサーチュイン遺伝子が活発になります。
サーチュイン遺伝子とは、老化や寿命の制御に重要な役割を果たすとされる遺伝子です。
サーチュイン遺伝子が活性化すると、傷ついたDNAが修復されて元気な細胞を維持できます。
このサーチュイン遺伝子の働きによって、体が、健康的な心身や健やかな美肌を守ろうとするのも、肌改善の理由の1つです。
ファスティングの方法
ファスティングを正しく行うには、「準備期」「ファスティング期」「復食期」の三つの期間に分けることが重要です。
ファスティングを始めるときに、急に食事を抜いてしまったり、ファスティングを終えたときに、空っぽの胃に急に食べ物を入れたりしてしまうと、胃腸が弱ってしまいます。
準備期

準備期は、ファスティング前に体を慣れさせるための期間です。
事前に胃にやさしい食事をとって体内の糖を減らすことで、ファスティング時にかかる身体の負担を和らげられます。
ファスティング期間と同じ日数分の準備期間を設けて、徐々に食事量を減らします。
準備期は、徐々に断食のために胃を鳴らすため、胃に優しいものを取り入れましょう。
おすすめの食材 | NGな食材 |
・味噌汁や野菜スープ ・おかゆや雑炊 ・発酵食品(納豆など) ・食物繊維が豊富なもの(いもなど) | ・小麦食品 ・刺激物 ・動物性たんぱく質のもの ・ジャンクフード |
ファスティング期
ファスティング期間に入ったら食事を断ち内臓を休めますが、脱水症状にならないようにこまめに水分を摂りましょう。
1日2リットルを目安に水分を摂ります。
水分やミネラルをたくさん取ることで、代謝の向上が期待でき、体内の余分な物質が排出されやすくなります。
低血糖などの体調不良を引き起こさないよう、水以外にノンカフェインのハーブティーや酵素ドリンク、具無しの味噌汁を飲んでも大丈夫です。
復食期

ファスティングが終わると回復期間を設けます。
ファスティングを成功させるためには、回復期間に食べるものが重要です。
ファスティングの直後は、体が摂取したものを吸収しやすい状態になっています。
一気に普通の食事を摂るのではなく、内臓に負担がかからない流動食から始め、徐々に普通の食事に戻しましょう。
復食期1日目には
- 重湯(おかゆをゆるく炊いたもの)
- 具無し味噌汁
などがおすすめです。
初心者におすすめのファスティング方法
ファスティングにはさまざまな方法があり、目的に合わせて日数や方法を選ぶとよいでしょう。
ここでは、初心者の方にもおすすめな、簡単にできるファスティングの方法を2つお伝えします。
16時間ファスティング

16時間ファスティングとは、一日のうちの飲食をしてもいい時間を8時間以内に設定し、残りの16時間は断食するという方法です。
16時間、体に何も摂り入れないことによってオートファジーが活発に働きます。
オートファジーとは「細胞の中のものを回収して分解し、リサイクルするシステム」のことです。
このオートファジーが活発になることによって、ダイエット効果が期待されます。
16時間ファスティングをするとしたら、例えば、午後8時に夕飯を終えた時点から16時間断食を始めたとすると、翌日の正午まで断食することになります。
この16時間には睡眠時間を含むことが可能であるため、実質的に飲食を控える時間が短くなり、初心者の方にも取り組みやすいファスティング方法です。
1日ファスティング

1日ファスティングは、24時間断食することです。
つまり、前日の準備期に1日、当日ファスティングに1日、復食期に1日費やすため、計3日かけて行います。
「3日間」と聞くと長く感じるかもしれませんが、例えば、準備期の朝や復食期の夜には果物を食べたり、水分を野菜スープやスムージーといった、おいしくて胃腸に優しいものを摂れると、ファスティングを成功させやすくなります。
ファスティング期には、水分補給の他に、酵素ドリンクやプロテインなどで栄養を取っても大丈夫です。
ファスティングの注意点
ファスティング中は固形物を摂らないため、体に十分な栄養が行き渡りません。
そのため、正しいファスティングを成功させるためには以下の3つの注意点に気を付けましょう。
水分補給をする

普段人は、飲料からだけでなく、食事からも水分を摂取しています。
例えば、ごはん100gに含まれる水分は50~60gです。
ファスティング中は、この食事からの水分摂取ができなくなるので、意識的に水分を補給しましょう。
1日2Lの水分が目安です。
水分をしっかりと摂取しないと老廃物が排出されにくくなったり、脱水症状で頭痛を引き起こしたりする可能性があります。
アルコールは摂取しない

先ほど、水分を摂取するようにと記述しましたが、アルコールは禁物です。
アルコールは、人の体にとって毒素になるので、むしろファスティングで排出したいもの。
ファスティングによって休めている消化器官にアルコールを与えることは、非常に負担になってしまいます。
また、アルコールには利用作用もあるので、脱水症状を引き起こしやすくもなります。
過度な運動はしない

ファスティング中は、体が栄養不足の状態となっています。
その状態で過度な運動を行うと、低血糖を引き起こす可能性が。
もし、ファスティング中に体を動かしたい場合は、ストレッチや軽いウォーキングをするくらいにしましょう。
ファスティングをするべきでない人

ダイエット効果だけでなく、健康にも良いとされるファスティングですが、”誰もが挑戦できる!”というわけにはいきません。
何度か記述してあるように、ファスティング中は体が栄養不足の状態となり体に負荷がかかるため、以下の項目に当てはまる方たちはファスティングは行わないようにしましょう。
- 成長期の方
- 高齢の方
- 妊娠、授乳中の方
- 生理中の方
- 痩せすぎている方
- 持病や疾患がある方
痩せすぎかどうかを当てはめるためには、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数【BMI】を参考にしてください。
このBMIは、国際的な指標として用いられているものです。
計算式:体重÷(身長×身長)

上記の計算式と表を使用して、自分がどの判定にいるの確かめてみましょう。
例えば、身長158cm、体重50㎏の方だと、計算式は「50÷(1.58×1.58)」となり、BMI値は20になるので、判定は【普通体重】。
身長163㎝、体重43㎏の方だと計算式は「43÷(1.63×1.63)」となりBMI値は16.1になるので、判定は【痩せ型】に。
このBMIで【痩せ型】と判定された方は「痩せすぎている人」に当てはまるので、ファスティングはするべきでないと言えるでしょう。
もし体調などに不安がある方は、かかりつけ医に相談するのもいいですね。
まとめ
ファスティングは、正しい方法で行えばダイエットだけでなく、体調改善や美肌、免疫力アップなど多くの効果が期待できます。
初心者はまず短時間のファスティングから始めるのがおすすめです。
ただし、体調や体質によっては控えるべき場合もあるため、無理は禁物。基本を守って安全に行いましょう。
健康的な生活への第一歩として、ファスティングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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